カメラコレクターの間でかつてのフィルム撮影用のカメラが人気を集めています。当時のフィルムカメラでは35ミリ幅の135フィルムを使うのが一般的でしたが、画質の良さから120フィルムを使用する中判カメラが人気を集めていました。一般的なカメラに比べて大きく重いのですが、画質がいいのでプロにも使われていたのです。集合写真やスタジオでの商品撮影には大判カメラを使うのが常識ですが、山岳写真などのように大判カメラを持ち込めない場所の撮影などにも中判カメラは使われました。
中判カメラの中でも人気が高いのが、アイレス写真機です。二眼レフカメラがブームだった時にはアイレス写真機製作所の技術力によって、かなり高価であったにもかかわらず市場で人気を集めたのです。アイレス写真機製作所は中判カメラだけでなく、135ミリフィルムを使用するコンパクトカメラや一眼レフカメラにおいても様々な製品を開発しましたが、1960年に工場の火災が原因で倒産したのです。その後もカメラマニアの間ではアイレス写真機の中判カメラは密かな人気が続いていました。今ではさらにアイレス写真機の価値が高まり、なかなか手に入らない貴重品です。