箱にレンズが付いたカメラ、それが中判カメラです。この中判カメラで最も古いのは1901年のものと言われています。この中判カメラで有名なのがナーゲル社です。このナーゲル社はアウグスト・ナーゲル博士によって創設された会社です。創設のきっかけとなったのは1926年、第一次世界大戦後の困難を極めていたドイツでコンテッサ・ネッテル、エルネマンおよびゲルツが不況を乗り切るために大合併を決断した際、コンテッサ・ネッテルの社長であったネーゲルが独自のカメラ製作を目指すために独立したことから始まります。
その後、中判カメラ製造のためのレンズをライツから供給を受けて製造を開始します。1934年には、アウグスト・ナーゲルが開発したレチナが販売されると、大好評を博し名機と讃えられるようになります。また、このレチナは35mmフィルムの普及を決定的にしたカメラであり、フィルムのレバー式巻き上げ機能もこのレチナが最初となっています。中判カメラメーカーの合併から独立することで創業したナーゲルは、1931年にアメリカコダックに買収されドイツ・コダックとなっています。