コカレッテとは、嘗てドイツの大手カメラメーカーであるツァイス・イコンによって製造されていた中判カメラの名称です。コカレッテは元々、1926年のツァイス・イコンの設立時にその母体の1つとなったコンテッサ・ネッテル社によって製造されていたカメラで、ネッテル社の主力商品の1つでもありました。途中で製造企業が変更された訳ですが、一貫してコカレッテの名称・中判カメラとしてのラインナップは変わる事無く、1933年に至るまで製造が行われていました。
コカレッテの特徴はそのバリエーションが多かった事にあり、116フィルムと120フィルムを使用するタイプが存在します。通常、中判カメラに限らずフィルムのタイプが変わるとカメラの大きさ・設計が変わる事から名称を変える場合が多いので、珍しいケースと言えます。またコカレッテは、全て金属製のフォールディングカメラであったという特徴があります。現在でも断続的にこのタイプの中判カメラのデジタルタイプ等がカメラメーカーからラインナップされるものであり、中判カメラ全体における影響は歴史的にも大きかったと言えます。